:::Webディレクターズブログ:::

キャリアの対価

モノ創りにおけるコンサルティングな要素として、そのスキルやノウハウに支払われる対価は無視されがちです。「無視」と言うと極端ですね…。そういったソフトに対する対価はなかなか評価されにくい、としましょう。
デザイナーで言えば「こういった表現の方が良いんじゃないですか？」とか消費者の視点で新しいアプローチを提案してくれる方も居ます。結局、アウトプットであるデザインというものの中には「クリエイティブなセンス」と「どういった手法が伝わりやすい表現なのか、というアイデア」が落とし込まれています。デザイナーのタイプにもよると思うのですが、そういったプラスアルファのスキルやノウハウを持っている方にはそれ相応の対価が発生すべきです。
またはフォトグラファーなんかもそうです。人、食材、建築物…、それらを撮影するためには、それぞれにベストなアプローチがあって、打ち合わせなんかをしてるとそこまで考えるか!と思ってしまうこともしばしば。
さらにニッチなところで言うと、そういった撮影の演出をしてくれる職業の方、わかりやすいところで言うと、スタイリストさんとかメイクさんですね。結果としては撮影現場での作業が全てと思われがちですが、撮影状況を考察できる経験値や準備に関わる時間などは目に見えるものではありません。
そういった方たちとお話をするだけで、最近のトレンドはこんな感じかぁ、と改めて勉強になります。その情報価値を考えれば、ホント授業料払うよ!と思ってしまいます。
当然、彼らは彼らでそういった自分たちのキャリアを外部に対して正確にアナウンスをしつづけていかないとならないのですが、インセンティブが足りない環境の方をもっと見直していくべきですよね。

編集する

Webディレクションといっても、書籍や雑誌などの編集者と同じように企画から校正、そのサイトを多くのユーザーに見てもらうための仕掛けづくりまでするわけだから、ある意味「編集作業」だ。
有名な編集者/クリエイティブディレクターである著者のワークショップでの講義をまとめた「僕たちは編集しながら生きている」から何かしら得るものがあるだろう、と思い、読み始めたところ。

Webディレクション標準ガイド

クライアントさんのところでも何度か目にしたこの書籍。
業界内でも多くの方に読まれていると思いますが、クライアントさんも「発注者の視点として勉強になったよ」と言ってました。お薦めです。

ヒアリング

まだまだ見たことも聞いたことも無い商品やサービスが山ほどあるんだろうな。そしてこれからもニュービジネスがどんどん生まれるだろうし、やっぱ世の中知らないことの方が多いんですね。

そのビジネスがWebを利用して大きな効果を上げられるかは置いといて、会社案内的なサイトでもなんでもいいや、まぁ、とりあえずサイトをつくりたいという依頼があったとしましょう。いつも話してることですが、やっぱりそのビジネスを理解しないことにはうまくアタマが働かないです。そのサービスのニーズとシーズがピンと来ないと。
「あー、そういうことなんだ」と消化できてない“あてずっぽう”の企画は外しますからね…。己も知り、敵も知るって意味で『ヒアリング』はスゴク大事で、ここがコケるとナシ崩しにダメな方向に流れてしまいます。ネタとして使う、使わないは別にしてとりあえず気になることは聞いてみる。後学の為にもね。

Webへの理解

リニューアル案件で「予算は前回よりも結構多めに取ってるから」とのお話を頂く。実際に動き出すとかまではいかなくとも、「次の販促予算では(各媒体の割り振りの中で)Webのウェイトを大きく置きたいんだ」とか前向きな話も最近、チラホラあったりします。昔はどんなものを作っても「ひと山幾ら」みたいなオファーが多かったのですが、Webにできること、の認識が大きく変わってきたんだなぁ、と実感します。
サイトを制作する、その後の広告展開や保守/運用まで。Webをどう利用すれば、どう効果が出るのか？ということが発注者側にリアルに考えられるようになってきたんでしょうね。
最近では運用面までを含めた「企画」を求められてるのが素直に伝わります。以前は「つくる」までの(デザイン)提案を求められることが多く、Web制作はつくるまでが仕事、みたいに思われているのがすごーくイヤだった。そういうストレスから徐々に開放されていく感じは悪くないです。

皆でつくるウェブ

あるサイトをオープンさせるにあたり、そのサイトのアイキャッチ的なロゴ制作から、コピーライティング、広告出稿、グラフィックデザイナーの手配まで。当然、プロジェクトの中心はサイト制作なので、そのディレクション。システムが絡むため、そっち方面のディレクターやプログラマーとも打ち合わせが必要。あ、この場合のWebデザイナーはシステムのことも理解してもらいたいので…。
かたや別のサイトはECサイトなのですが、社内製造の商品がとても魅力的なので、製造工程やこだわりを追っかけて、ブランディング訴求ができるFLASHムービーがあったら面白いのではと、ならばビデオ編集か？写真撮影か？みたいなことも考えてみたり。

プロジェクトが何本も並行して走ると、激ヤバ状態になるのですが、周りに専門のスタッフが居るというのはホント心強いです。立場的には皆が自分のスキルを惜しみなく発揮できる環境を与えてあげたいと常々思ってます。

皆、予算と時間があれば、もっと面白いものができると口には出さないけど、思ってはいるんだろうな…。

クリティカルパス

プロジェクトの管理上重要になるのがクリティカルパス。クリティカルパス上にあるタスクは全体の工程を決定付ける重要な作業要素となります。“予定”と“実際”の進行状況は誰もそれを望まなくとも、その管理上、一番重要な箇所でつまづくケースもやはりあったりします。
クリティカルパス上のタスクが遅れた場合、(複合的に絡みますが)人か金かモノか…なんらかの資源を投入して、正常な工程に戻す努力がなされるわけです。

上記はプロジェクト管理の話なのですが、モノ創りの現場のみならず、何かを成す、ということにおいて予定外の資源(コスト)が投入された場合の皺寄せはどこに来るか？そのコストを負担するのは誰なんだろう？と。目をつむれば見えないことも多いのですが、一度気になると結構、気になりますね。

あ、別につまらないことがあったというわけではないので。

スケジュールとコスト

立場上、見積もりを書き、制作工程を監理する以上、気にするのはやはり、人件費。
例えば、同じ額面で受けた仕事でも、2週間で公開までもっていける案件もあれば、3ヶ月かかる案件もあります。
ボリュームも同等だった場合に、この2つの案件のコストは同じでしょうか？
3ヶ月かかる場合、クライアントの返答待ちなどでズルっといくケースが多いので、実質、作業に当てた時間は2週間分くらいで、やはり比較もしづらいです。

ただ、その間にも「次はいつ動く？」という精神的な臨戦態勢が解かれることはありません。まぁ、これはキモチ的な要素ですが、複数の案件を監理する体制の中で、懐から出て行かずにたまっていく案件は、他の案件の進捗にも支障を来す場合があります。要は自分やデザイナーなどのイレギュラーな対応(作業)です。

見積もりの仕方にもよるのですが、「作業量(作業時間)」か？「管理する時間か？」です。極端な話し、前者で見積もった場合、クローズまで1年間かかったら、1年間も「お金」は動かないことに…。ビジネスとしてやっている以上、こんなナンセンスな話はないですよね。

いや、そこまでユルい監理はしてないですが、こういった話も無くはないです。

どんなサイトにしたいですか？

新規、リニューアル問わず、クライアントさんとのヒアリングにおいて、サイト運営の“目的”を尋ねることは言わずもがなですが、どんなサイトにしたいですか？と言う質問に対し、おおよそですが、「（○○なターゲット）に対して、（○○な情報）を提供し、（○○な情報/利益）を得たい。」まで答えて頂ければ、ウェブでどのようなアプローチやテクニックを駆使すればその目的を達成できるか？について考えることができます。
多くのケースの場合、実は本来の依頼内容は見えていないようです。ここにはまだ誤解や勘違いがあるようですが、「ウェブサイトで何かをしたい」「既存のウェブサイトになんかテコ入れしたい」というのはまだまだ漠然としたスタートラインです。まず、「どんなサイトにしたいか」を考えましょう。
これは結果的に「ウチ（自社）のサイトは○○なことができる、○○なサイトです」という、そのサイトを説明する文章になるはずです。そして、ユーザーもその説明文に納得ができれば、訴求したいポイントと焦点のズレがなくなるはずです。

ディレクション

カテゴリの整理をしていこうと思う。「ウェブワークフロー」という当初作成したカテゴリが細分化されてきたからだ。まぁ、それは追い追い。

ある書籍にウェブのディレクションは他のメディアと何が違うのか？ということに触れてあった。過去、ウェブサイト構築＝デザインであったため(はっきり言ってしまっている)、他のメディアとの差がなかった、と。ウェブサイト構築は企業の業務を支援する根幹的なシステムになりつつある･･･。
良いこと言うなぁ。ウェブ制作のディレクション業務にはさらに幅広い知識やノウハウが不可欠になるって･･･。プレッシャーも与えてくれます。
実際、ウェブ専門の企業は多いですが、考え方やノウハウは本当にマチマチ。技術うんぬんじゃなくて、どこまでウェブと真摯に向き合えるか？っていう“気持ち”の問題も大きいんですよね。